伝統工芸×プロダクトデザイン
京都で200年の歴史ある技術を
現代のデザインと融合させた傑作。
伝統の技で彩る、現代のスタイリッシュなジュエリー
京都で200年以上の歴史を持つ金属工芸工房・竹影堂と新進気鋭のプロダクトデザイナー福定良佑氏がコラボレーションして制作した銀製のジュエリーです。伝統工芸の高い技術と幅広いスタイルに馴染むミニマムデザインから生まれた逸品です。
京都の錺り匠、金属工芸工房-竹影堂
竹影堂は創業より200余年続く歴史ある金属工芸工房です。初代は刀を作っていたという事実からもその歴史の長さを感じます。現在の代表、中村佳永さんは竹影堂の七代目として日夜手作業で作品を製作している傍ら、大学でも指導をしており後継者の育成にも情熱を注いでいます。また2004年にはより日常的に金属細工を楽しんでもらうため工房の隣にアンテナショップ「かざりや 鐐」もオープン。町屋にかかる大きな幟が目を引くお店で、若手職人の手作りの商品を始め幅広い商品を購入することができます。そしてこのアンテナショップにはもう一つ別の目的も。若手職人は仕事ができるようになった後も継続的に手を動かさないとすぐに手技が衰えてしまいます。こうした若手職人の継続的な仕事を創出するためのお店でもあります。また金工の体験や工房見学、中村佳永さんのYouTubeチャンネルも運営され金工の魅力を広める努力も惜しみません。
多くの仲間とのコラボレーション
プロダクトデザイナーの福定良佑さんは元大手家電メーカーのデザイナーで、イタリアでの修行経験もある新進気鋭のデザイナーです。そんな彼の事務所は京都にあります。日本的な思考や形状をデザインに織り込むことの多い彼のデザインからすると当然の選択だったのかもしれません。また今回のプロジェクトは幅広いきものユーザーの意見を聞くために京都きもの市場にも協力してもらいました。
リング ジャルダンは抽象的なラインが特徴です。京都の石庭をモチーフにデザインされました。繊細なラインで構成されていますが、銀本来のきらめきは職人が手作業で引き出します。
※本製品は職人手作業で製作した原型を鋳造したものですが、最終工程にて再度職人が手作業にて仕上げ加工を施しています。
Concept
京都で200年余りの歴史を持つ、金属工芸工房・竹影堂に向けて帯留めとかんざしをデザインしました。
和装に合わせる装飾品に対して、和のモチーフを取り入れながらも洋風のスタイルをミックスすることで、現代的な和装アクセサリーを実現しました。
参考にしたのは、1900年代前半にヨーロッパやアメリカで流行したアール・デコスタイルです。当時幾何学的なモチーフを用いて様々なパターンが作られ、洋服やインテリアを美しく彩っていました。
和装には比較的具体的なモチーフを用いた表現が多くみられますが、この幾何学的パターン表現を取り入れる事で、オリジナリティを出すことを試みました。
具体的には、厄除けとして用いられる南天と、京都を象徴する石庭をモチーフとして取り入れました。
それぞれのモチーフを幾何学形状に単純化し、さらに深みを与えるために段差を付けた二重構造のパターンにしました。これは非常に細かなパターンですが、竹影堂に代々受け継がれた技術により、手作業で精度の高い原型を完成することが出来ました。
最終的な製品は、原型をもとにしたロストワックス鋳造にて銀で製造されています。
帯留めは、石庭のモチーフで異なる柄を二つ作りました。
かんざしは、シンプルなバチ型の形状に、帯留めと同じパターンを調整して配置しました。
帯留めとかんざしをどちらも合わせて身に着けた時の調和も考慮し、共通のシリーズとしてデザインしました。
それぞれのパターンの名前は、フランスを発祥とするアールデコにちなんで、フランス語で庭を意味する”ジャルダン”と、木の葉を意味する”ファヤージュ”と名付けました。
アールデコのレトロな空気感も持ちながら、和装を引き立てるモダンな銀の帯留めとかんざしです。
福定良佑